転科先として人気No.1の内科は、全ての診療科の基本です

広範囲の知識が必要

病気にかかった患者が最初に受診し、初期治療(プライマリーケア)を受ける内科は、全ての診療科の基本となっており、その先に循環器系、呼吸器系、消化器系、代謝・内分泌系、アレルギー系など、臓器・病気別の専門医療が存在しています。

したがって、内科医は頭痛、胃炎、高血圧、糖尿病から帯状疱疹まで、広く浅く何でも診ることができ、的確な診断を行うことが要求されます。

症状がはっきりとしない、あるいは、本来なら診察の必要がない患者も来院するため、夕方になっても外来診療が終わらないことも日常茶飯事で、全診療科のなかでも相当多忙な部類に入ります。

「行動しながら考える」タイプが多い外科とは逆に、人の話をじっくりと聞く温厚な性格の人が内科に向いています。病気の診断のためには、患者の生活や社会的背景を引き出す必要があるため、ざっくばらんに話ができる人も適性が高いといえます。

内科は転科先として人気No.1となっており、内科系(循環器科、呼吸器内科、消化器内科など)、外科系(外科、整形外科、消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科など)、精神・神経科、救急・ICU、小児科・産婦人科など、あらゆる診療科の医師が転科をしています。

内科の代表的な疾患

プライマリケアが重要

頭痛
頭痛は、@普段起こるもの(風邪・二日酔いなど)、A脳の病気を原因とするもの(脳腫瘍・クモ膜下出血など)、B慢性的なもの(繰り返し起こる原因のハッキリしない頭痛。片頭痛、群発頭痛)のタイプに分類されます。治療は痛みを誘発している因子を特定し、取り除くことが必要となるが、発作の治療と予防のためには投薬も行います。

胃炎
急性と慢性の2種類があり、急性胃炎は、外的要因や内的要因から胃の粘膜に炎症が起こり、粘膜の浮腫やびらんが短時間に形成されたものです。慢性胃炎は、胃粘膜の慢性炎症と胃腺の萎縮が見られる状態です。治療は、適切な食事療法(アルコール、コーヒー、香辛料などの刺激物を避ける、消化の良いものを食べる)により胃を休ませることと、薬物療法の2つが中心となります。

高血圧
臓器の病気などが関係し、原因が明確な「二次性高血圧」と、明確な原因がわからない「本態性高血圧」があります。二次性高血圧の治療では、その原因に対する治療が主体となります。本態性高血圧の治療では、生活習慣の改善が重要となりますが、必要に応じて、血圧を正常に保つための降圧薬も使用されます。

脂質異常症
血液中の脂質(中性脂肪・遊離脂肪酸・リン脂質など)が異常に多い状態を指し、以前は「高脂血症」と呼ばれていた病気です。生活習慣の改善、食事・運動療法が治療の中心となりますが、十分な効果が認められない場合には薬物療法も用いられます。

糖尿病
血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの量が不足、あるいは働きが不十分なため、血中の糖度が高くなる病気です。食事療法と運動療法が治療の基本ですが、経口血糖降下剤やインスリンを用いた薬物療法も行われます。